
同名の人気ウェブ小説を原作とした映画『全知的な読者の視点から』の脚色に関する論争が、キャラクターポスターとティーザー予告編の公開でさらに激化している。
今月12日、映画『全知的な読者の視点から』側はキャラクターポスターとティーザー予告編を一斉公開した。今年2月に公開されたローンチ予告編でイ・ジヘ役を務めるBLACKPINKのメンバー、ジスが銃を持って登場したのに続き、ポスターでも銃を構える姿が目を引いた。
映画『全知的な読者の視点から』は10年以上連載された小説が完結した日、物語の世界が現実となり、唯一の読者だったキム・ドクジャが小説の主人公であるユ・ジュンヒョクと彼の仲間たちとともに滅亡した世界で生き残る姿を描くファンタジーアクション映画だ。制作費300億ウォン(約31億4,103万2,353円)が投資された大作で、今年の夏に公開を予定しているブロックバスター映画として注目を集めている。
ウェブ小説『全知的な読者の視点から』では、キャラクターそれぞれが守護星のような「星座」の特技と能力を受け継いで戦うが、イ・ジヘの星座は忠武公李舜臣だ。しかし先に公開された映画の予告編でイ・ジヘが李舜臣を象徴する剣ではなく銃を持つ姿が映し出され、李舜臣将軍に関する設定が削除されたのではないかとの懸念が浮上した。過去に一部の作品で、グローバル展開を理由に歴史的に微妙な内容が削除・修正された例があったためだ。
実際、『全知的な読者の視点から』の日本向けウェブ漫画では「民族の独立運動家(柳寛順)を望む」というセリフが「矛盾の陰陽師を望む」に変更された。陰陽師は古代日本の官職の一つで、陰陽五行思想に基づいて占いや風水を見る役割を担っていた。さらに安重根の星座も削除されたとされ、「日本を気にしたのではないか」との指摘が上がっている。
このため、一部のネットユーザーは予告映像が公開された後、「文禄・慶長の役で日本の鉄砲に立ち向かった李舜臣将軍に、剣や弓ではなく銃を持たせるのは筋が通らない」と反発している。
さらに、ジスをはじめ、イ・ミンホ、アン・ヒョソプなど韓流スターの出演で映画『全知的な読者の視点から』が国内外で注目を集める中、脚色への懸念はより一層高まっている。
論争が拡大する中、制作会社「REALIES Pictures」のウォン・ドンヨン代表は今年2月、SNSで「原作の映画化には脚色が不可欠だ」と述べ、「映画『神と一緒に』を制作した際も大幅に脚色したが、原作者とファンの皆さんは映画を見て理解してくれた。今でも原作者とは良好な関係を保っている」と投稿した。
ウォン代表は「映画を制作する際、原作者には事前にシナリオを全て見せ、脚色箇所も全て説明し、了承を得る」と説明した。そして、刀を持つユ・ジュンヒョクのポスターを公開し、「ユ・ジュンヒョクは刀と銃の両方を使う」とし、「トッケビも全て登場し、原作をそのまま再現するわけではないが、メッセージやキャラクター、世界観は一切変わらない」と支持を呼びかけた。
ただし、イ・ジヘ役については追加説明を行わなかった。
映画『全知的な読者の視点から』は今年7月に公開される予定だ。