アップルは、自社の音声アシスタント「Siri」とOpenAIが開発した人工知能(AI)モデル「ChatGPT」を統合した新たなAI機能を発表した。これにより、ユーザーは複数のアプリを切り替える必要なく、ChatGPT機能を活用できるようになる。
アップルは11日(現地時間)、iPhone・iPad・Macなど自社デバイスにAI機能「アップルインテリジェンス」の更新版を配布すると発表した。
最大の変更点は、文章作成ツールとSiriにChatGPT機能が統合されたことだ。アップルはChatGPTの専門知識と画像・文書理解能力を活用できるよう実装する予定だという。Siriは特定の要求に対してChatGPTの利用を提案し、ChatGPTが生成した回答をSiriが伝えるという仕組みになる。
システム全体で使用される文章作成ツール「作成」機能では、ChatGPTを用いてコンテンツを生成できる。文章に合った画像の生成も可能だ。
ChatGPTの統合はユーザーが選択できる。ユーザーはChatGPTを使用するタイミングや共有する情報の種類を自分で制御できる。アカウントを作成せずにChatGPTを利用する場合、OpenAIはユーザーのリクエストを保存せず、またそのデータをAIモデルの学習に使用することはない。
文章作成ツールには再作成、校正、要約に加え、「変更内容の説明」機能が追加される。この機能では、ユーザーが変更したい内容を説明すると、それに応じた修正が自動で文章に反映される。
「イメージマジック」というツールでは、メモのテキストや視覚資料から把握できる文脈を活用して画像を生成できる。大まかなスケッチに丸を描くと、洗練された画像に変換する機能もある。絵文字キーボードに説明を入力すると、新しい絵文字も作成できる。
「イメージプレイグラウンド」では、テーマ、衣装、アクセサリー、場所に応じた独創的な画像を簡単に生成できる。現代的な3Dアニメーションから、シンプルな図形、明確な線画、カラーブロッキングを用いたイラストまで、様々な画像生成機能を備えている。
iPhone 16シリーズで導入された「カメラコントロール」機能により提供される新しい視覚AIは、被写体や場所に関する情報を即座に取得できる。この視覚AIは、テキストの要約・コピーだけでなく、複数言語の翻訳や、電話番号・メールアドレスの検出、さらにそれらを連絡先に追加する機能も提供する。
加えて、Google検索で商品の購入先を探したり、授業ノート内の複雑な図表を説明させたりすることもできる。サードパーティツールの利用有無や、共有する情報の範囲もユーザー自身が直接管理する形となっている。
アップルは来年中に、ユーザーの指示に基づいて特定のアプリで作業を実行する機能を追加で提供する予定だ。
アップルは本日からオーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、南アフリカ共和国、イギリスでの英語サポートを拡大する。来年には中国語、英語(インド・シンガポール)、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語のサポートを追加する予定だ。これらの機能は来年4月から順次ソフトウェアアップデートを通じて提供される予定だ。
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