
3月21日から続く韓国の山火事は3月27日を境に、被害面積と死者数がともに史上最大規模となる見込みだ。慶尚南道を皮切りに慶尚北道、蔚山広域市、忠清北道、全羅北道などで同時多発的に発生した今回の山火事の影響区域は計3万6009ヘクタール(約360.09
平方キロメートル)に及び、これまでの最大規模だった2000年の東海岸山火事を上回ったとされる。
特に死者数は計27人に達し、1989年(26人死亡)に発生した山火事の犠牲者数超えた。これを受け政府は安東(アンドン)市、青松(チョンソン)郡、英陽(ヨンヤン)郡、盈徳(ヨンドク)郡を特別災害地域として追加指定した。
3月27日、韓国の中央災難安全対策本部によると、慶尚北道・義城(ウィソン)郡、慶尚南道・山清(サンチョン)郡など全国10カ所の中大規模山火事の影響区域は3万6009ヘクタールで、ソウル市の半分に相当するという。3月26日の発表より1万8058ヘクタール(108.05平方キロメートル)が増加した中、3月27日午前9時時点での鎮火率は盈徳10%、英陽18%などにとどまった。山火事の拡大速度に消火活動が追いついていない状況だ。被害規模も従来最大だった2000年東海岸山火事の被害面積である2万3794ヘクタール(237.94平方キロメートル)を超えた。
山火事による死者は1人増え、計27人となった。3月27日午前11時50分頃、慶尚北道・盈徳郡で山火事監視員のA(68)が焼死体で発見された。Aは2日前に他の消火隊員らと現場支援を終え、盈徳文化センターの待機所で解散した後、連絡が途絶えていた。警察には行方不明者や身元不明遺体の通報が引き続き寄せられており、死者数は今後も増加する見込みだ。
一方、韓国軍は山火事鎮火支援のため兵士約900人とヘリコプター49機を追加投入する予定だったが、煙霧のため即時投入できず待機していた。在韓米軍所属のブラックホーク(UH-60)やチヌーク(CH-47)など4機のヘリコプターもこの日から消火活動に参加予定だったが、実現しなかった。特にチヌークは一般のヘリコプターと比べ、水の積載量が5倍にも及ぶ。
3月27日時点で軍が山火事鎮火のために投入した兵力は計約7000人、軍用ヘリコプターは約290機に上る。