
「浮気した元カレを呪うために買いました。本当に効果があればいいのですが…」
これは、韓国のネットショップで簡単に購入できる「呪い人形」に寄せられた口コミだ。
10日、業界関係者によると、販売者は人形の呪い方を動画や写真で詳しく説明しているという。
例えば、ある商品は人形の「ツボ」に釘を打ち、刃物で切ったり燃やしたりする方法を推奨している。別の商品では、「学校や職場に嫌いな人がいるなら、簡単に呪いをかけてみよう」といったキャッチコピーで購入を促している。
商品内容も衝撃的だ。呪い人形を購入すると、元恋人や上司、裏切り者などを対象に使える呪いの札と釘5本がセットで提供される。
呪い人形とは、藁人形に呪いの対象者の名前を書いた札を貼り、さまざまな方法で苦しめる商品だ。購入者は特定の対象を呪った体験談を共有し、実際の効果を期待しているようだ。
呪いたい相手の名前を札の裏に書いて苦しめる「呪い人形」には、「一生苦しんでほしい」、「私の人生を台無しにした奴を許さない」といった説明書きが添えられている。
価格は1個6,000ウォン(約632円)から20,000ウォン(約2,107円)程度で、一部の商品は呪いの強さによって「最強」、「中級」などの呪いのランク分けがされている。
商品説明には「人形に札を結び付けた後、拳で殴り、足で踏みつける」、「針で刺す」、「人形の手足を思い切り引っ張る」、「関節を曲げたりねじったりする」、「火で燃やしたり冷凍庫に入れる」など、呪いの方法が列挙されている。
これらの商品は、主にストレス発散や鬱憤晴らしを目的に販売されている。ある呪い人形は900件以上の口コミがあり、平均評価は5点満点中4.77点と高評価だ。
実際の購入者の感想には、「最近ストレスが溜まっていたけど、これを買って発散したらすっきりした」、「効果を期待するというより、心の怒りを静めたくて買ったが満足している」、「もう3回目の購入。もうこんなことをしたくないけど、世の中にはひどい人間が多すぎる」といった声が寄せられている。
「一時的なストレス解消にはなるが、長期的には怒りを増幅させる恐れも」
しかし、専門家はこのような暴力的な方法が一時的なストレス解消にはなっても、長期的には怒りを増幅させるリスクがあると警告している。
特に、呪い人形は年齢制限なく誰でも購入可能であり、子どもや青少年が無分別に消費する恐れがある。
檀国大学心理学科のイム・ミョンホ教授は「自分の苦しみの原因を他人のせいにする『投射心理』が働く可能性があり、特に子どもに悪影響を及ぼす恐れがある」と説明した。
イム教授は「人形を痛めつける行為は一時的な感情発散には役立つかもしれないが、根本的な解決策ではないため、かえって怒りを増幅させる危険性がある」と指摘した。