「時折、十分な勉強もせずに自身の体づくりの経験だけを頼りにジムインストラクターとして活動する人々が見受けられる。最近では会員や業界の基準が向上しており、こうした事例は減少傾向にあるとされるが、身体構造への理解や専門知識なしに活動するインストラクターが業界全体のイメージを損なわないか懸念される。」
ソウルのあるジムで10年間インストラクターとして活動している人物は、周囲に「無資格インストラクター」が目立つことがあるとこう語った。
ジムインストラクターなど1万人以上の資格照会が可能
あるフィットネスアプリが最近、ジムインストラクターの資格を照会できるサービスを開始した。13日時点でジムインストラクターとピラティスインストラクター1万3,900人以上が登録されている「運動ドクター」アプリだ。インストラクター登録数としては韓国内最大規模となる。
運動ドクターはトインストラクターの資格保有状況、経歴、専門性などの関連証明書を確認できるサービスを提供している。個人トレーニング市場で頻発する無資格インストラクターによる被害を解決するためにこのサービスを開始したという。
運動ドクターを運営するWeTrainのキム・ソンファン代表は、「PT(パーソナルトレーニング)を受けて詐欺被害に遭ったり、インストラクターのサービスに満足できなかった事例の多くが、後から確認すると資格すら持っていないインストラクターだったケースが多かった」と述べ、「フィットネス市場の専門性と透明性を高めるプラットフォームを提供できるのではないかと考え、資格照会サービスを開始した」と説明した。
「資格照会で業界の透明性向上…被害減少に期待」
実際、無資格インストラクターからPTを受けていた会員が不適切な運動指導により怪我をするなどの被害が少なからず発生している。
インストラクターの資格を照会できれば、詐欺被害も減少するのではないかというのがキム代表の考えだ。フィットネス業界では突然の閉業により既に支払った利用料が返金されないといった被害事例が後を絶たない。韓国消費者院によると、2021年から昨年第3四半期までのジムに関する被害救済申請(1万746件)のうち、「契約解除」に関する紛争が93.4%(1万39件)と最多を占めた。
WeTrainは資格照会によって業界の透明性が確保されれば、類似の被害事例を最小限に抑えられると期待している。
キム代表は「資格の有無が消費者に適切なトレーニングを提供できるかどうかの明確な相関関係があるとは言い切れないが、良質なサービスを提供できるかどうかを判断するための最低限の要件だと考えている」とし、「弁護士が協会のウェブサイトで名前を検索すれば資格を確認できるように、資格照会サービスが信頼を醸成し、市場を拡大する手段になり得る」と説明した。
毎月7万人が利用…「エスクロー決済の導入を目指す」
ユーザーの反応も好調だ。アプリのダウンロード数は約60万回に達し、1か月あたりのアクティブユーザー数(MAU)は7万人を超えている。
運動ドクターは最近成長を続けているが、一時期には苦難も経験した。LGユープラスのモバイルサービス部門の位置サービス開発チームに所属していたキム代表は、2019年5月に社内ベンチャーとして運動ドクターの運営を開始し、翌年1月に退社して本格的に事業に乗り出した。しかし、この時期は新型コロナウイルスの影響で閉鎖するジムが増加し、難局に直面した。
エンデミック後、ベンチャー投資業界が大変な時期を過ごしている中、成長の原動力を確保するのが困難な状況下でも売上を伸ばした。アプリを通じて新規会員を獲得した場合、ジム側が負担する手数料が運動ドクターの収益源となっている。
資格照会サービスに続き、会員権の決済代金を第三者に預ける方式のエスクロー決済サービスの導入を計画している。
キム代表は「PTを前払いした瞬間、会員は優位な立場から弱い立場に転じてしまう」とし、「決済後にインストラクターの授業態度が変わったり、レッスンの質が低下するといった問題があるが、エスクロー方式で一定回数のレッスンが完了するごとにジムに費用を精算する仕組みを構築する予定だ」と語った。
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