
13日、東京都品川区のあるビル7階。オフィスに入ると、縦向きの大型デジタルサイネージが目を引いた。そこでは、さまざまな ウェブ漫画のシーンが次々と映し出されていた。人の背丈を超える巨大なスマートフォンでスクロールしながらウェブ漫画を読むような感覚だ。日本の ウェブ漫画制作スタジオ「ナンバーナイン」のオフィスの入口で目にした光景はまさにそんな印象だった。
ナンバーナインの代表、小林拓真氏は「昨年10月の新オフィス開設時に最もこだわった空間」と語り、「デジタルサイネージの設置だけで140万円以上投資した」と明かした。また、彼は「私たちが心血を注いで制作したウェブ漫画の主要シーンを365日24時間流し続けている」と強調した。
ナンバーナインは、ネイバーウェブトゥーンの日本サービス「LINEマンガ」を運営するLINEデジタルフロンティアが先月出資した企業だ。ネイバーが海外のウェブ漫画制作スタジオに投資するのは今回が初めてだ。この日、ナンバーナインは韓国メディアに初めてオフィスを公開した。

オフィスの入口のデジタルサイネージ左側の壁には、「マンガで待ち望まれる未来を創造する」という会社のビジョンが大きく日本語で書かれていた。小林代表は「社員全員がこのビジョンを胸に刻んで働くことを目指している」とし、「漫画で本気の勝負に挑む」と意気込みを語った。
ナンバーナインは2016年、日本で電子コミック仲介サービス企業として創業。最近ではウェブ漫画制作スタジオへと事業を拡大している。社名は、フランス・パリのルーヴル美術館が漫画を「第九の芸術」と表現したことにインスピレーションを得て命名された。
この会社が2022年に制作したウェブ漫画『新血の救世主~0.00000001%を引き当て最強へ~』と昨年リリースした『俺だけ最強超越者~全世界のチート師匠に認められた~』は、昨年日本のLINEマンガで10位以内にランクインした。これらはネイバーウェブトゥーンのグローバルサービスを通じて、韓国語、英語、フランス語などでも読むことができる。

オフィス内では、制作中のウェブ漫画ごとに作家、コンテ、彩色、背景担当者がチームを組んで作業していた。パーティションもない開放的な空間だ。小林代表は「通常、ウェブ漫画スタジオは作家に外注し、社内には編集部のみを置く運営方式が一般的だが、私たちは異なる」と説明。「作家も週5日出勤し、同じ空間で共同作業を行っている」と述べた。「チーム制で作業することで、演出意図やストーリーの背景などをより深く反映できることがナンバーナインの強みだ」と強調した。
ナンバーナインは、LINEデジタルフロンティアの出資を受け、オリジナルコンテンツの制作やアニメ化に注力する計画だ。人員も大幅に増強し、過去6か月間で50人の新規採用を行った。『新血の救世主~0.00000001%を引き当て最強へ~』と『俺だけ最強超越者~全世界のチート師匠に認められた~』の脚本・絵コンテ作家である江藤俊司氏は「『新血の救世主~0.00000001%を引き当て最強へ~』がアニメ化され、作品のキャラクターが実際に動く姿を見てみたい」と述べ、「より多くの人に知られる作品を作ることが目標だ」と抱負を語った。