イギリスの医師で英国教育省の青少年メンタルヘルス大使を務めるアレックス・ジョージ博士が、YouTubeチャンネルを通じて2年間の断酒がもたらした効果を明らかにし、注目を集めている。
16日(現地時間)、英紙ガーディアンは、ウェールズ出身の医師で英国教育省の青少年メンタルヘルス大使を務めるアレックス・ジョージ博士が最近、自身のYouTubeに「私は酒を断ち人生を変えた」というタイトルの動画を投稿したと報じた。その動画でアレックス・ジョージ博士は、「断酒して2年が経った」と述べ、その後の睡眠習慣の変化を詳しく説明した。
4年前に家族を失ったあと、アルコールに依存して生活していたアレックス・ジョージ博士は、2年前のある日、自身の荒れ果てた姿に直面し、断酒を決意した。アルコールに頼って眠りについていた彼は、断酒直後は楽に眠れず苦労したと語った。また、奇妙な夢を頻繁に見て、眠っても疲労感が取れなかったという。しかし、これらの睡眠障害は断酒から8週間後になくなった。良質な睡眠を取れるようになったアレックス・ジョージ博士は、「断酒の決断が私の人生にポジティブな影響を及ぼしている」と述べた。
英紙ガーディアンは、アレックス・ジョージ博士の事例が「アルコールが睡眠に有益だ」という一部の人々の誤った認識を覆す証拠になり得ると指摘した。オックスフォード大学のラッセル・フォスター教授は、「良質な睡眠のためにアルコールを摂取する人もいるが、鎮静作用と睡眠は異なることを認識すべきだ」と説明した。
研究によると、睡眠は浅い眠りのレム(REM)睡眠と深い眠りのノンレム(non-REM)睡眠に分類され、就寝前のアルコール摂取は睡眠初期のノンレム睡眠時間を延長させる。そのため、アルコールを摂取すると速やかに深い眠りに入れるように感じるが、実際にはレム睡眠時間が減少し、簡単に目覚めてしまう。
ラッセル・フォスター教授は、レム睡眠不足により、記憶力低下、集中力欠如、感情制御の問題などが生じる可能性があると指摘した。また、「アルコールは上気道筋を弛緩させ、睡眠中の気道閉塞によるいびきや睡眠時無呼吸症候群を悪化させる可能性が高い」とも語った。
ラッセル・フォスター教授は、断酒後も睡眠習慣の回復には一定期間を要すると説明した。アレックス・ジョージ博士の場合のように8週間かかることもあれば、個人差により更に長期化する場合もある。さらに、「就寝前のワイン1杯で睡眠の質が約10%低下する可能性があるが、酔いを感じ始めると睡眠の質は40%低下する」と述べ、飲酒時間が就寝時間に近づくほど睡眠の質が悪化すると指摘した。
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