
韓国政府が中国の「ダンピング攻勢」による鉄鋼輸出への対抗策として、中国産厚板に最大38%の関税を課す方針を固めたことを受け、鉄鋼株が取引時間中に上昇した。厚板は船舶や海洋構造物などに使用される厚手の鉄鋼材を指す。
21日午前9時27分、韓国鉄鋼メーカーのポスコスチリオンは前日比6,800ウォン(約710円)高の4万900ウォン(約4,268円)で推移した。東国製鋼(11.06%高)、POSCOホールディングス(4.84%高)、セア製鋼(4.82%高)、現代製鉄(4.5%高)、韓国製鋼(2.93%高)なども上昇した。
前日、韓国産業通商資源部貿易委員会は中国産厚板に、暫定的な反ダンピング関税として27.91%~38.02%を賦課するよう企画財政部に建議したと発表した。
ダンピング防止関税は、外国企業が自国の販売価格より低い価格で商品を輸出した場合に追加の関税を課し、韓国国内の産業を保護する措置を指す。
韓国国内の厚板生産企業はポスコ、現代製鉄、東国製鋼の3社。鉄鋼業界は、中国企業による低価格輸出が正常な事業展開を阻害していると訴えてきた。今回の政府の措置を受け、厚板の売上比率が高いこれらの企業の株が買われたとみられる。
これまで韓国市場では安価な中国製厚板のシェアが高かったが、今後は国内企業の販売量増加が期待される。