大統領の権限を代行するハン・ドクス首相の弾劾案可決を受け、政局の不安が深刻化し、ウォン・ドル相場が急騰している。直近の取引日である27日には、ウォン・ドル相場が一時1486ウォン(約160円)を超え、15年9か月ぶりの最高値を記録した。
こうした状況の中、証券業界では、対外的な要因よりも国内の政治的不確実性が為替の短期的な変動性を高めていると指摘されている。追加弾劾や外国資金の流出が現実化すれば、1500ウォン(約161円)を突破する可能性があるとの見方が出ている。
NH投資証券のクォン・アミン研究員は30日、「1480ウォン(約159円)水準の為替レートは、トランプ米次期大統領と米連邦準備制度理事会(FRB)によるドル高観測、国内のファンダメンタルズ悪化、政治的不確実性を全て反映したもので、主要国通貨と比較しても過度にウォンが弱い状態にある」と分析した。
クォン氏は、国内要因がさらに悪化すれば短期的に1500ウォン(約161円)を超える可能性があると予想。現時点では国内政治の不確実性が為替の短期的な変動性を高めている」と述べた。また、「最も起こり得るシナリオではないかもしれないが、追加弾劾や外国資金の流出が現実化すれば1500ウォン(約161円)突破は十分にあり得る」とも指摘した。
ただし、現時点でのドル追加購入の実益は大きくないと助言。トランプ政権の2期目の政策不確実性や、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の利下げ期待を背景にしたドル高の見通しについても、すでに市場ではドル「買い」観測としてある程度織り込まれていると説明した。
また、クォン氏は「新年に入り取引量が平年水準に回復し、輸出企業による外貨売却が進むことで銀行の短期借入が増えれば、為替相場も安定してくるだろう」と予測。「上半期の平均為替レートは1400ウォン(約150 円)台前半と予想され、現在の高水準は下半期にかけて回復していくことになるだろう」と述べている。
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