
ゴールドマン・サックスは、予想を上回る原油供給の増加と、米国の経済活動の低迷の兆しと、関税引き上げによる需要減少により、今年の原油価格が下落する可能性が高いとの見通しを示した。
現地時間4日、ロイターによると、ゴールドマン・サックスは今年末から来年初めにかけて、ブレント原油がバレル当たり平均73~78ドル(約1万870~1万1,614円)で取引されると予想。米国のウエスト・テキサス中質油(WTI)はバレル当たり平均68~74ドル(約1万125~1万1,018円)で取引されると見込んでいる。
この日、欧州ICE取引所でブレント原油先物価格は0.7%下落し、バレル当たり71.14ドル(約1万592円)で取引を終えた。WTI価格は0.4%下落し、68.09ドル(約1万138円)で取引されている。
同社は、OPEC+の供給が今後18カ月間増加するというシナリオの場合、ブレント原油価格は2026年末までに60ドル(約8,933円)台半ばから後半まで下落すると試算している。
また、カナダとメキシコから輸入される原油や全ての米国産原油に対する関税が、WTIやブレント価格に大きな影響を与えないとの見方を示した。ただし、関税が課された米国産中質油の生産者価格は低下し、米国の石油製品価格は上昇すると予測。特に沿岸地域では石油製品価格の上昇が顕著になるとの見通しを示した。
一方で、最近の米国の経済活動データの低迷や関税引き上げによる物価上昇圧力、予想される中国の石油需要の持続的な弱さを考慮すると、1日当たり110万バレルの石油需要増加は困難であり、それを下回る可能性が高いとの予測だ。