米ニューヨーク州が、大気中に多量の温室効果ガスを排出した化石燃料企業に「気候復旧費用」を課すことを決定した。今後25年間でこれらの企業に総額750億ドル(約12兆円)を課し、徴収した費用は、道路や交通網、上下水道管理、建物、他のインフラの適応策などに充てられる。
27日のロイター報道によれば、ニューヨーク州のキャシー・ホウクル知事は「新たな気候法に基づき、ニューヨーク州は今後25年間で化石燃料企業に総額750億ドルの負担金を課す予定」と明らかにしたという。対象となるのは、温室効果ガスの排出量が10億トンを超える企業で、2000年から2018年までの排出量を基準に負担金を支払う。この資金は2028年に設立される「気候スーパーファンド」に納付される。
気候変動対策費用は2050年までに5000億ドル(約76兆円)に達すると予想される。リズ・クルーガー上院議員は、「ニューヨークは気候危機の責任を企業に問う世界的な先例を作った」と述べた上で、「1970年代から化石燃料の採掘と燃焼が気候変動に寄与することは知られていた。それにもかかわらず、主要な石油企業はこの事実を無視し、2021年1月以降だけで1兆ドル以上の利益を上げている」と強く批判した。
一方、企業側は法的対応を取る構えを見せている。これらの企業は、今回の法案が連邦法によって無効化される可能性があると主張しており、特にエネルギー企業は、すでに連邦法がエネルギー企業と汚染排出源を規制しているため、ニューヨーク州の新法が連邦法を回避できないと主張する見込みだ。
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