
慶尚北道の義城や安東などで発生した山火事が急速に周辺地域へ拡大し、人的被害が増加の一途をたどっている。
26日、中央災害安全対策本部の発表によると、同日午前9時時点で山火事により死亡した人は計18名に達した。 地域別では慶尚北道で14名、慶尚南道で4名となっている。
山火事が安東など北東部の4つの市・郡に拡大する中、消火活動に奮闘する消防士たちの姿が公開された。
25日、オンラインコミュニティを中心に「山火事現場の消防士のボディカム」という映像が共有された。約15秒の映像で、撮影時刻と場所は不明だが、消防士らの防火服には「慶尚北道119」の文字が確認できた。
映像には、猛烈な強風と炎に立ち向かう消防士たちの懸命な姿が捉えられていた。
隊員たちは周囲を赤く染める火災を背に「気をつけろ!後ろに風」と互いに警告を発していた。
直後、「来るぞ、来るぞ」という叫び声とともに、炎に包まれた風が隊員たちを襲った。危険な状況下で隊員たちは身を縮め、一部は地面に伏せる姿も見られた。
現在、当局が消火活動を展開している山火事地域は、慶尚南道の山清・河東、慶尚北道の義城・安東、蔚山の蔚州温陽・彦陽の計6カ所で、影響を受けている森林面積は1万7,534ヘクタール(㏊)に及んでいる。
このうち、最も被害が深刻なのは義城・安東地域で、1万5,158㏊の森林が激しい山火事の影響下にあると見られている。
山火事により被害を受けた住宅、工場、寺院、文化財などは計209カ所に上る。
同時多発的な山火事により避難を余儀なくされた住民も急増し、2万7,079人が一時避難所に身を寄せている。このうち1,073人のみが自宅に戻り、残る2万6,006人はいまだ避難所などでの生活を強いられている。