国会の弾劾訴追により職務停止となった韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は15日、「不幸な流血事態を防ぐため、違法な捜査ではあるが、高位公職者犯罪捜査処（公捜処）への出頭に応じることにした」と明らかにした。
尹大統領はこの日、メディアに配布した「国民の皆様へのメッセージ」で、「大韓民国の憲法と法体系を守るべき大統領として、このような違法で無効な手続きに応じるのは、これを認めるためではなく、不幸な流血事態を防ぐためだ」と述べた。
この声明は、公捜処が内乱首謀等の 容疑で尹大統領を同日午前10時33分に逮捕した後、13分後の10時46分に配布された。
尹大統領は「残念ながら、この国では法治が完全に崩壊した」とし、「捜査権のない機関に令状が発付され、令状審査権のない裁判所が逮捕状と捜索差押許可状を発付するのを目にし、さらに捜査機関が虚偽の公文書を発行して国民を欺くという、このような違法の上に違法を重ねる行為が行われ、無効な令状によって強制的に手続きが進められるのを見て、本当に嘆かわしい限りだ」と指摘した。
さらに「このような不当な扱いを受けても、今後国民の皆様がこのような刑事事件に直面した際に、こうしたことが二度と起こらないことを願う」と付け加えた。
尹大統領は「国民の皆様、特に若者たちが自由民主主義の尊さを再認識し、それに対する情熱を示しているのを見て、今は法治が崩壊し、真っ暗闇の時代ではあるが、この国の未来には希望があると考えるようになった」と述べた。
「国民の皆様へのメッセージ全文」
尊敬する国民の皆様、お元気でお過ごしでしたか。
私への応援と多くの支持を寄せていただいたことに心から感謝申し上げます。
残念ながら、この国では法治が完全に崩壊しました。
捜査権のない機関に令状が発付され、令状審査権のない裁判所が逮捕状と捜索差押許可状を発付するのを目にし、さらに捜査機関が虚偽の公文書を発行して国民を欺くという、このような違法の上に違法を重ねる行為が行われ、無効な令状によって強制的に手続きが進められるのを見て、本当に嘆かわしい限りです。
このような不当な扱いを受けても、今後国民の皆様がこのような刑事事件に直面した際に、こうしたことが二度と起こらないことを願っています。
本日、彼らが警護保安区域に消防設備を動員して侵入してくるのを見て、不幸な流血事態を防ぐため、違法な捜査ではあるものの、公捜処への出頭に応じることにしました。
しかし、私がこの公捜処の捜査を認めるわけではありません。
大韓民国の憲法と法体系を守るべき大統領として、このような違法で無効な手続きに応じるのは、これを認めるためではなく、不幸な流血事態を防ぐためです。
国民の皆様、特に若者たちが自由民主主義の尊さを再認識し、それに対する情熱を示しているのを見て、今は法治が崩壊し、真っ暗闇の時代ではあるが、この国の未来には希望があると考えるようになりました。
国民の皆様、どうかお体に気をつけてお過ごしください。
ありがとうございました。
