ヨーロッパ各国の首脳たちが、イーロン・マスク氏による「内政干渉」とみられる行動に対して強い反発を示している。
7日、政界関係者によれば、マスク氏は先月20日(現地時間)、自身のSNSでドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」について「AfDだけがドイツを救える」と投稿した。同様の主張をドイツの週刊誌に寄稿し、9日にはAfDのアリス・ワイデル党首(首相候補)との対談も予定している。
同時に、オラフ・ショルツ独首相とフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領をそれぞれ「無能な愚か者」、「反民主的な暴君」と批判し、反政府世論を煽った。
これに対しショルツ首相は「新しいことではない。冷静さを保つべきだ」と述べ、「トロール(注目を集めるため意図的に挑発する人)に餌を与えるな」と警告した。独政府報道官も「国民の大多数は理性的で品位がある」とし、「マスクの虚言や個人的見解が8400万人のドイツ国民に影響を与えることはない」と反論した。
マスク氏は英国のキア・スターマー労働党党首(野党党首)ともオンラインで論争を繰り広げた。スターマー氏が2008~2013年に王立検察庁(CPS)長官だった際、児童性的搾取事件を隠蔽したとする英国極右勢力の主張をSNSで引用し、辞任を要求した。
スターマー氏は6日、「政治の激しさと活発な議論は歓迎するが、虚偽ではなく事実と真実に基づくべきだ」とし、隠蔽の疑惑について「限度を超えている」と不快感を示した。
これに対しマスク氏は再びSNSに投稿し、「卑劣なスターマーは政治的利益のために少女たちとその親の訴えを無視した」と反論した。
トランプ政権第2期の実権者として台頭するマスク氏の言動にエマニュエル・マクロン仏大統領も批判を加えた。マクロン大統領は仏大使らとの新年会で「10年前には、世界最大のSNS所有者が国際的な反動運動を支持し、ドイツなどの選挙にまで介入するとは誰が想像しただろうか」と間接的に批判した。
ノルウェーのヨーナス・ガール・ストーレ首相も現地公共放送で、「SNSへの莫大なアクセス権と経済力を持つ者が、他国の内政に直接関与することは懸念される」と述べた。
さらに「民主主義国家や同盟国間でこのようなことは許されない」と指摘し、マスク氏がノルウェー政治にも干渉しようとすれば、政界が団結して距離を置くべきだと主張した。ノルウェーも9月に総選挙を控えている。
コメント0