世界最大の電子商取引企業アマゾンの米国内の倉庫労働者がストライキに突入した。年末商戦を前に、労働組合がアマゾンを交渉に応じさせるために計画したものとみられる。
○アマゾン倉庫労働者、ストライキ突入
20日、CNBCの報道によると、ニューヨーク、ジョージア、カリフォルニア、イリノイなど米国内7施設のアマゾン労働組合に所属している従業員が、より良い福利厚生、賃上げ、安全な労働環境を求めて19日(現地時間)にストライキを起こした。アマゾン労働組合は最近、全米運輸労働組合「チームスターズ」に加入した。労働組合側は当初、会社側に今月22日までの契約交渉のための和解期限を提示していた。
チームスターズのショーン・オブライエン労働組合委員長は声明で「休暇シーズン中に配送が遅れるとすれば、それはアマゾンの過激な貪欲さが原因だ」とし、「我々は明確な期限を示し、組合員のために適切な対応を要求したが、アマゾンはこれを無視した」と述べた。
アマゾンは、彼らの主張を全面的に否定した。同社の広報担当者はCNBCへの声明で「チームスターズが1年にわたり意図的に世論を誤導するキャンペーンを展開している」と話した。労働組合側が数千人の従業員とドライバーを代表していると主張しているが、デモに参加した人々のほとんどが部外者だと説明した。
さらに「実際、チームスターズは我々の従業員やパートナーから十分な支持を得られておらず、外部者を動員して我々のチームを困らせ、脅すことは不適切で危険だ」とし、「引き続き顧客からの年末年始の注文をスムーズに処理することに力を注いでいる」と説明した。
チームスターズによると、約1万人のアマゾン従業員が労働組合に加入しているという。これは2023年12月31日時点の153万人に上るアマゾン全従業員数の1%にも満たない。労働組合側は19日に始まったキャンペーンが米国史上最大規模のアマゾンに対するストライキだと主張している。
アマゾンは長年、従業員の労働組合結成に反対してきたが、2022年にニューヨーク州スタテン島の倉庫労働者が労働組合結成に賛成する投票を行い、労働組合の組織化が始まった。当時、スタテン島の運動を主導したアマゾン労働組合員らは、昨年6月にアマゾンとの契約交渉が難航したことを受け、チームスターズとの提携を決めた。
○批判の的となるアマゾンの倉庫業務
アマゾンは倉庫労働者の作業中の負傷データを改ざんし、社内の安全性向上のための勧告を無視してきたとされる。最近、米上院の健康・教育・労働・年金委員会は、バーニー・サンダース上院議員が主導してまとめた約160ページに及ぶ報告書で「アマゾンが従業員の負傷を事業コストの一つとしか見ていない」と指摘した。
同報告書は、ノルマが疲労と反復性ストレスを引き起こし、労働者の負傷リスクを高めていると述べている。アマゾンの負傷率が業界平均を約30%上回っているにもかかわらず、同社が統計を操作して競合他社より危険だという事実を隠蔽していたことも指摘された。
バーニー・サンダース上院議員は声明で「この報告書で明らかになったアマゾン倉庫の衝撃的で危険な職場環境は容認できない」とし、「アマゾンは負傷を大幅に減らせる勧告を無視し、労働者の健康と安全より利益を優先することを繰り返し選択してきた。これは米国民が困り果てている、理不尽な企業の貪欲さの象徴だ」と強く非難した。
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