アメリカ連邦高等裁判所は、TikTok規制法(米国内事業権強制売却法)の合憲性を巡る論争を来月10日に審理することに決定した。
18日(現地時間)、連邦高裁は「中国のバイトダンスがアメリカ国内のTikTok事業を売却しない場合、サービス中断を命じる連邦法の合憲性を来月10日に審理する」と発表した。売却期限はトランプ次期大統領の就任前日となる来年1月19日に設定されている。法施行9日前という異例の特別審理日程が組まれたことになる。連邦高裁は今回の審理に通常の倍の2時間を割り当てた。
16日、TikTokとバイトダンス側の弁護団は連邦高裁にTikTok禁止法に対する緊急差し止め命令を申請し、法の施行を一時的に停止するよう求めていた。連邦高裁はこの要求への判断を保留したまま、審理日程を発表した。
TikTok側は、今回の審理で結果が覆る可能性に期待を寄せている。トランプ次期大統領が最近のインタビューで「TikTokのおかげで若い有権者の支持を得た」と述べ、プラットフォームに好意的な姿勢を示したことも前向きな兆候と受け止められている。TikTok側は、連邦高裁が法の執行を一時的に停止すれば、来年1月20日に就任するトランプ新政権が救済策を講じてくれるのではないかと期待を抱いている。
専門家は今回の訴訟でTikTokが勝訴する可能性は低いとみている。ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストであるマシュー・シェトンヘルム氏は、今回の連邦高裁の審理を「異例の措置」と評価しつつも、この措置が必ずしも法を無効化する意図を示すものではないと指摘した。彼はTikTokの勝訴確率を30%程度と推定している。
ペンシルベニア大学ロースクール技術革新競争センターの学術責任者であるガス・ハーウィッツ氏は、「今回の事件の核心は表現の自由と国家安全保障上の懸念とのバランスだ」と分析した。彼は今年初めに、最高裁判所の裁判官であるエイミー・コニー・バレット氏が外国企業と個人は米国憲法が保障する表現の自由の権利を持たないと明言した判例を挙げ、TikTok禁止法が無効化される可能性は「極めて低い」との見方を示した。
これに先立ち、米議会内の対中強硬派は、TikTokが中国共産党の影響を受けてアメリカの選挙や世論形成に介入する恐れがあるとして、この法案を提出していた。法案は今年4月に議会を通過した。TikTok側はこの法が憲法の保障する表現の自由を侵害するとして反発している。
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