カナダ政府は西部ブリティッシュコロンビア州の港湾で発生した労使紛争の解決に向けて介入を開始した。貿易の主要な玄関口として機能しているバンクーバー港・プリンスルパート港・モントリオール港で、労働者たちのストライキのため作業が止まり物流が麻痺したため、彼らに即時の業務復帰を命じ、事態の収拾に乗り出したのだ。
12日(現地時間)、ブルームバーグ通信によると、カナダのスティーブン・マッキノン労働相は労働法に基づく権限を発動し、カナダ労使関係委員会に港湾の労使に業務復帰と運営再開、紛争解決のための仲裁手続きを開始するよう命じた。
マッキノン労働相は記者会見で「業務停止はサプライチェーンと数十万に至るカナダの雇用、経済および国の評判にまで影響を及ぼしている」と述べ、「交渉が完全に行き詰まり、現実的に合意に達する可能性がない」と述べた。
西部のバンクーバー港とプリンスルパート港で労働組合所属の労働者730名がストライキを言い渡すと、雇用主協会は今月4日、すぐさま職場を閉鎖させた。労組側は今回のストライキが「超過勤務禁止と制限された作業に対する措置」に過ぎないと明かしたが、雇用主協会「ストライキが予告なしに拡大される状況で安全かつ秩序のある運営の為封鎖が必要だ」と主張した。広域バンクーバー貿易委員会によると、今回の封鎖措置により1日あたり約8億カナダドル(約890億円)の経済的損失が発生すると試算されている。これを受け、雇用主側は政府の早急な介入を継続的に要請してきたのだ。
雇用主協会は「封鎖措置の取りやめに向けて必要な措置を迅速に移行する」と明かした。広域バンクーバー貿易委員会のブリジット・アンダーソン会長は「会員たちが大変安堵している」と述べ、「ドナルド・トランプ次期米大統領の第2次政権に備えカナダは経済の回復に集中すべきだ」と強調した。
これに対し労組側は強く反発する姿勢を取っている。バンクーバー港とプリンスルパート港の労働者を代弁する労組のスポークスマンは「憲法で保障された団体交渉の自由とストライキ権を侵害する措置だ」として、強制仲裁に対する法的対応を予告した。また、モントリオール・ロングショアマン労組のパトリック・グルートニー代表は「労働者の権利が侵害された日だ」として政府の介入に強く反発した。
労使間の紛争に政府が直接介入することは今年に入り2回目の事だ。カナダ労働法第107条に従い、労働相はストライキを中止させるため拘束力のある仲裁を命じることができる。今年8月にもマッキノン労働相はこの権限を発動させ、カナディアン・パシフィック・カンザス・シティとカナダ国営鉄道会社のストライキに介入し終結させた。
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